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May 07, 2010

遠くを遠くに感じる。

シアタートラムで上演されているドラマ・リーディング「日本語を読む」を見に行きました。

プログラムは3人の演出家がそれぞれの選んだ(選ばれた?)日本の戯曲を演出するというもの。
選ばれた戯曲は、三島由紀夫の「熱帯樹」、別役実「ポンコツ車と5人の紳士」、太田省吾「老花夜想」。
演出家の3人は、今注目されている若い演出家さんたちだそうです。

お恥ずかしい話ですが、自分が演劇やっているくせに、最近ぜんぜん日本の演劇を観ていませんでした。仕事が忙しかったし、夜はどうしてもビールが恋しくなってしまいますし(苦笑)、何度か観たお芝居が連続でつまらなかったので、気持ち自体がなえてしまっていたし、、、。

でも今回の来日では、「仕事か稽古が入るだろう」と予想していたところがすっぽり空いてしまったので、けっこう時間があります!自分の勉強のためにも、できるだけお芝居を観にいこう!と決めたのでした!

わぁ~い!

今夜は中屋敷法仁さん演出「「老花夜想」。
ドラマ・リーディングですので、役者さんたちは台本を読むというスタイル。

演出はできるだけ「言葉」がお客さんの耳に入っていくように無駄を省いたものでした。なんか「ラジオ」を聴いている感じ。耳で聴いて、頭の中で「想像」することの楽しさを味わった感じ。

ドラマ・リーディングというジャンルがあっても楽しいなぁ~とちょっと思いました。
まぁ、朗読劇というジャンルはすでにありますね。

ちなみに、ニュージーランドで「ドラマ・リーディング」というと、新しい戯曲を上演するための事前のプロセスという意味で使われます。一般のお客さんが居る場合もありますが、だとしても基本的に無料。作家が書いた台本を役者が読んでみることで、さらに良い戯曲にしていくということが目的。その段階では「演出」はそんなに大事ではありません。日本のドラマ・リーディングとは違ったスタンスです。

終演後にポストトークがあって、とてもびっくりしたのは、演出家の方が「僕は役者のことをスピーカーって言っているんです。ほら、音を出すでしょ。」と言っていたこと。悪気はまったく無いのだと思いますし、本来のニュアンスと違う捕らえ方をわたしがしたのだと思います。でもそれでも、ちょっと驚きました。演出家や芸術家がよくよく持っている「自分のために世界が回っている」みたいなところを、この若手の演出家さんにも垣間見てしまったような気がして、ちょっとなんでしょう、複雑な気持ちがしました。「嫌」じゃくて、「ああ~、やっぱりそうなんだぁ~」という感じかな。

それにしても。
(これ以降は、中年おばさんの独り言に突入しますよ。)

わたしは若いころ、小劇場の割と中心の劇団にいたため、自分が演劇界の一員だと感じていたし、演劇界でどんな演劇が行われて、どんな役者さんがいて、どんな劇団があって、ということをとてもよく知っていました。
そのころは、まさに「自分のために世界は回っている」という気持ちを持っていたのだと思います。

そして今、わたしが注目されている若手の演劇人を見て感じるのは、「ああ~、わたしはずいぶん遠くへきてしまったのだなぁ~。」ということ。わたしはすでに、その中心にはいないということ。それはぜんぜん悲しくなくて、だからといって嬉しくもない。

「わたしは、昔とずいぶん違う場所に今いるのだな。」という「確信」。

わたしは、「自分にとって楽しい・意義がある・自分に向いている(自分らしくいられる)と感じられる場所を見つけて、そこにしっかりいるんだなぁ~。」というしみじみした、わびさび感。

ずいぶんユニークな道を選んだのね、絹川さん。という感じ。

誰かが言いました。「世界は自分を映す鏡」だと。

今わたしは、「東京の演劇は、間違いなく、自分を映す鏡だな」と実感しています。

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