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November 08, 2011

不条理という言葉。

「NPO法人場の研究所」の勉強会のご案内がきた。
毎回、一言ひとことを吟味したご案内文は、それだけでも心を「シン」とさせてくれます。

今回のご案内文は特に興味深いものでしたので、東大名誉教授/NPO法人「場の研究所」所長の清水博先生の全文をご紹介します。

なお、場の研究所は毎月1回勉強会を行っておられます。
一般の人も参加できますので、興味のある方は以下へ。 http://www.banokenkyujo.org/

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原発不条理

インターネット(コトバンク)で調べてみると、「不条理」という言葉は次のように説明されている。
1 筋道が通らないこと。道理に合わないこと。また、そのさま。「―な話」
2 実存主義の用語。人生に何の意義も見いだせない人間存在の絶望的状況。
カミュの不条理の哲学によって知られる。
東日本大震災による大津波で居場所を破壊された大災害は、それが天災による被害であることから、悲惨な状態であっても不条理とは言わない。しかし、原発事故によって集団的に居場所を追われたり、親たちは福島にとどまり子どもたちを他の地域へ疎開させて、家族がばらばらになってしまった状態にある人々、また農作物の風評被害に泣く人々が懐く思いは「原発不条理」としか呼びようのない感情である。
それは道理に合わないことを、日本という国家体制、東京電力という巨大組織、それに協力してきた有識者や学者によってつくられた安全神話によって押しつけられたことによっておきた人災という面が濃厚であるからである。
さらにまた東京電力から送られている電気を使って生きてきた私たち自身も、その人災の一端を担っていることになる。人災としての原発事故の原因となった道理に合わない行為の責任が社会的に追及されずに曖昧にされていることから、未だに終息していない事故による放射能汚染の実態が十分に知らされていないと感じることから生まれる人びとの恐怖とやり場のない怒りが強い実存的な不条理感につながっている。この原発不条理を乗り越えられない限り、福島の本当の復興はあり得ないであろう。
このように不条理な状態に心が拘束されている限り、人間は未来に向かって新しく出発をする因の立場に立つことができないからである。
どの様にすればこの不条理な状態による心の拘束から逃れることができるのであろうか。それは日本の住民がこの大震災を自分ごととして受け入れない限り不可能なことなのである。
                               (清水 博)

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