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December 27, 2013

舞台は神聖なもの。

日本の舞台人は「舞台」や「劇場」を神聖なものと扱う。
たとえば土足で舞台に上がるなんて御法度。
大きな舞台の場合ちゃんと「おはらい」をしてもらう。
舞台裏に神棚がある。安全によき舞台になるように祈る。
そういう習慣は大事だと思う。

海外で公演をするとき、それが小さな劇場だからかもしれないけれど、スタッフの人達の態度にがっかりすることがよくある。それは「舞台の仕事」を「やっつけ仕事」の一つとして扱うからである。

「こうしたい!」とリクエストすると、ほとんどが「それは無理」という答えが帰ってくる。
だからしつこく必要性を説明する。だんだん感情的にもなってくる(苦笑)。
最終的にはやってくれるけど、でも、なんか「情熱が足りないなぁ〜」と不満を感じてしまう。
その国にはその国なりの流儀があるのだから、我がまま言ってはいけないけれど。

オークランド大学のドラマ科に、日本の能役者が来てワークショップをしてくれたことがある。
そのとき、能役者がどのように学生たちを指導したかというと、まずゾウキンでの床掃除をやらせたそう。しかも、床は「なめることができる」ほどキレイにすること。ニュージーランドは基本的に「土足」だから、その床をそこまでキレイにするということは、彼らには「考えられない」行為だった。

でも「そういうことが大事なのだ」ということを、身を以て体験してくれたのではないだろうか。

この指導方法をみて、オークランド大学の教授は「とても驚いていたけれど、だから日本は凄いんだな〜と改めて日本に敬意を抱いた」とおっしゃっていた。

舞台人が、舞台を神聖な場とするのは、人間や時空間や物事を大事にすると同時に、自分達の行為を謙虚に見つめる姿勢の現れにも感じる。だから私は古くさいかもしれないけれど、そういう姿勢が好きだ。

もちろん「舞台」や「劇場」は開かれた場であるべきである。

でもだからといって「まったくトレーニングをしない素人さんが神聖を無視して、土足で立っていい」ということではない。

それは舞台の神様が怒るぞ〜。

と、古くさいかもしれなけれど、長年日本の演劇界の片隅にいる人間としては、思ってしまうのです。

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