March 20, 2014

情報リテラシーの問題:イ◎◎◎の将来を憂う

みなさま、おひさしぶりです!
ぜんぜんブログが更新できていません、ごめんなさい!
実は、ブログのアドレスを変更しようとして、その段階でグズグズしておりまして、(苦笑)。

さて、以下の文章は、昨日Facebookで公開したものです。
Facebookにおられない方々もおられますので、このブログでも紹介します。

*********************************
この発言の発祥は、発言する価値ないくだらない事なのですが
「情報」という大きなくくりで考えると、けっこう大事なことでもあったりするので、「こういう物の見方もある」ことを、これから何かを学んでいく人たちに対してお伝えしたい意味で、一応つぶやいておきたいと思います。

こんなこと書いたら、どっかから「イエスアンド」してないって言われるかもしれないけど(苦笑)、自分の気持ちに「イエスアンド」してるのさ〜!

◎ 情報があふれかえっている日本。

◎ なんでも情報が手に入る日本。

◎ 今日も新しい情報がFacebookからやってきた!

そんな風にお感じになって、目の前に出された情報にすぐに飛びついてしまうことって、少なくないように思います(私は割とそういうタイプです。苦笑)

しかしこれは危険。
なぜなら、みなさんすでにお気づきのように、
情報ってかなり「コントロール」されているからです。

だれがコントロールしているの?

それは情報を「流す立場」の人たち。

都合のいい情報は流す。宣伝する。声を大きく。紙面に大きく。
でも、情報を流す立場にとって「都合の悪い」ことは、
それが情報であったとしても、抹殺され無視され無かったことにされてしまいます。つまり、たくさんあるように見える情報ですが、得ることのできる情報はすでに歪んでいると疑うことも大事です。

ちなみに、BBT大学院で問題解決方法を指導するトップ講師:斎藤顕一先生は、「正しい情報を得ること」が、問題解決の第一歩で、とても大事な部分だとおっしゃっています。

そのためには「この情報は本当に正しいのか?」を疑うこと。

(注:ここで「イエス・アンド」を思考する人は気をつけ無くてはなりません。イエスアンド」が、「何も疑わずに、鵜呑みにしてしまう」ことになることがあり得るからです。これ危険です。)

さて、ここからちょっと本題。
「海外からの面白いメソッドや考え方が、日本にいい状態で上陸するのはなかなか難しいもんだな〜」ということを実感してます。

面白さや素晴らしさが、そのまま伝わればいいのに、、。

でも、物事はそう簡単じゃないようです。

たとえば、スタニスラフスキーの教え。日本でもたくさんの出版物が出て、ロシアで学んだ方々もたくさんおられる。日本にも指導者がたくさん生まれたし、今ではロシアから本場の演劇指導者がやってくる。しかしそれでも今だに正しく伝わりきっていないのではないか。また、マイケル・チェーホフなど他にも素晴らしい指導者がいるのに日本ではほとんど紹介されていなかったり、演劇の源泉であり「コメディア・デラルテ」についての本がまったく出版されていなかったり。こんな風に、伝えられている情報はほんの僅かです。

もしかしたら、海外で勉強してこれられた方々は「いま日本で認識されているものと、海外で認識されているものの違い」に身悶え〜してるかも(苦笑)。

「もともと、すべてを伝えるなんて不可能」なのだと思います。

そして、それを根本に持ちながら、「だとしたらどうしたらいいか」を考えていかなくてはなりません。

たとえば「海外視察」を行って、その後、日本で成功している事例を見ると、海外で得た情報を整理して、それをそのまま使うのではなく、
「必要な状況の中」でちゃんと翻訳して、行動につなげている。
(たとえば、可児市の創造センターなど)

しかしこういう成功ケースはまれであって、ほとんどの物事は
苦戦してるように見えます。

さて。
それらのケースもあるので、できればインプロは同じ道をたどらないといいな〜とは思っているのですけれども、難しいですね、、。

いろんな海外のインプロフェスに出演して、一流のインプロバイザーたちと交流し、いろんな先生たちに学んで、その「めっちゃくちゃ面白く、楽しく、刺激的な」エッセンスを日本に紹介したい、伝えたいと思って活動していますが、それはきっとまだできていないなぁ〜。。。
ここが自分の苦しさであり、もどかしさであります。

たとえば今、Leeds大学主催のe-learning で、「フィジカル・シアター・トレーニング」を受講しています。(誰でも参加できますので、興味のある方はどうぞ!)そこで素晴らしいなと思ったのは、メイエルホリドから学んだ弟子の系図をきちんと示して、弟子=メイエルホリドではないよねってことをちゃんと押さえている。

でないと「家元」と名乗る「亜流」が出てきてしまうからです。

しかし、日本はそこが、めちゃくちゃ(苦笑)。
情報リテラシーがなっていない。リテラシーとは、「情報を受け取る側」のスキルです。どの情報は信じられて、どの情報は信じるに値しないものかを見定める力。これが、圧倒的に弱い。

しかも面白いことに「家元」と名乗る「亜流」のほうが「声が大きい」(苦笑)。だから情報リテラシーが無い人たちは、声の大きい方をすぐ信じてしまう。「何となく良さそう」というところで決めてしまう。

考えてみれば、本物は「自分が本物だ!」って言わないっていうことは分かることなのに、、。

たとえば、「自分がこれから受ける予定のワークショップ」の講師の名前を使って、自分のワークショップを宣伝してしまうことなんかがある。

「◎◎講師のワークショップ」っていうタイトルがあったら、普通の人は、「◎◎講師がワークショップをするのかな?」って思いますよね?
でも情報の恐いところは、そうとも限らないことです。

◎◎講師に習った誰かが、「これは◎◎講師の考え方です」って言って
教えてしまう。(しかも、こういう人たちに限って、しゃーしゃーと「断言」できてしまう。。)

これって、おかしくありません?

たとえば、わたしを例にすれば、絹川友梨のワークを受ける「予定」の参加者が、「絹川のインプロ」というタイトルで「自分のワークショップ」を宣伝し、これが「絹川のインプロだ」と言って教えてしまうっていうことと同じです。

まず、本質的に、ワークショップのファシリテートは、ファシリテーターの主観によって進行されます。たとえば数学を学ぶならば「答えがひとつと決まっている」のですから、それを導きだせばいい。つまりどんな人が講師でもいいのです。しかし、ワークショップや芸術やインプロ(カテゴリーがめちゃくちゃですが)は、「答えが決まっている」わけではありません。

たとえばシーンづくりの最中に行われるサイドコーチと呼ばれる、指導者からのコメントは、すべて指導している人間のテイストが入ってしまいます。どんなに客観的になろうとしても、もともと答えが1つに決まっているわけではないのですから、そのコメントにはかならず主観が入ってしまいます。これを「もし◎◎講師だったら、こうサイドコーチするだろう」なんてことは、◎◎講師の弟子を100年つとめても難しいでしょう。

ですから、本質的に、絹川以外の人間が「これは絹川さんのワークショップです」とは言えないはずなのです。

逆に言えば、

「これは◎◎講師のインプロです」なんてことは、口が裂けても誰にも言うことはできない。

ってこと。

もちろん、研究者が「フロイトとは」とか「プラトンはこういった」みたいなタイトルの本を出していますが、これはちゃんとした研究に基づいて語られているわけで、しかもフロイトとかプラトンとか故人であり、そういう予測が必要な領域であります。

しかし、◎◎講師が生きていて、◎◎講師のワークショップをたかが数回受講しただけの人間が、◎◎講師のことを語ることはできません。

そして、そういうことを簡単に言う人を、信じちゃいけません。

情報リテラシーに沿って考えると、そこにはかなりの「嘘」が含まれているからです。

それをまず明確にして、「それでも伝えたい」ということであれば分かる。それをちゃんと明記するべきです。

でも、それを明示しないで、自分以外の講師の名前を、自分のワークショップのタイトルにしてしまうことは、非常に危険であります。

それって、下手をすると、「お客を呼び寄せるために、外人講師の名前を使っているのかな〜?」とも深読みできてしまう。
(この深読みが当たらないことを祈るのみ。)

そして、こういうマズい行為は、誰かに取り締まって欲しいなぁ〜

そんなの無理だろうけど〜。

せめて、できるだけ、人々が引っかからないようにと祈る。

それでも引っかかる人は引っかかってしまうのだろうけれども。

ちなみに、ここで起こっている問題の被害者のA講師(友人)に、事情を聞いてみました。名前を使われているA講師は、ワークショップを行うと宣伝しているB人物に会ったことがなく、リストを見たら、Bさんは、今度おこなわれるA講師のワークショップに「参加する」予定になっているそう。A講師の人はのんびりしている方ですので、「Bさんは、ボクのワークショップを受けるっていうことを書いてたんじゃない?」って言ってました。

違います。あなたの名前を出して、彼自身のワークショップを宣伝してます。

March 18, 2014

ベルリン・国際インプロ・フェスティバル始まり〜!

毎年開催されている、ベルリンのインプロフェス。クレイジーなショーがたっくさんある。ステキなフェス。です。

https://www.facebook.com/events/457425677671599/

February 22, 2014

水戸黄門の印籠ほしさに考える日々

薬屋さんやコンビニエに行くと、カラフルな袋に詰められたビタミン剤を見かける。それらは「サプリメント」と呼ばれ、「疲れをふきとばす」とか「カルシウムが取れる」とか、それぞれの症状によって選べるようになっている。

これを見るたび、壊れたロボットをイメージする。
ねじが外れたロボットを直すのには、同じ部品を付け足せばいい。
欠陥のあるパーツに、新しいパーツを入れ替えれば、簡単に直る。
それと同じような考えで作られているのが「サプリメント」。
栄養を「単独」でとって、欠落した部分を補う。

しかし単品で取って、もしくは単品を複数とって、本当にきくのだろうか?
個人的意見を端的に述べると、さまざまな食物を摂取するほうがいいんじゃないかなぁ〜と思う。食物は総合的に複雑に栄養が含まれており、相互が影響しあっているからこそ、人体にとって必要な栄養素がとれるのでは。

演劇教育も、どちからというと食物に似てる。サプリメントのように、具体的に「部分」に効果があるというより、総合的な活動である。

本当に「演劇」を通して、私たちは、ものすごくたくさんのことを学ぶことができる。創作プロセスの中で社会性を学び、表現プロセスの中で身体性や精神性を学ぶ。成長に必要なことも、必要ないことも、いいことも、悪いことも学ぶので、具体的にあげればきりがない。

しかし「演劇は総合的な学びができます。だからいいんです」と言うだけでは「いいね〜」サインは出ないのが教育現場。「これに利きます!」とサプリメントのように効果を説明できないと、「使えない」ラベルを貼られてしまう。

こと「演劇」は、ものすご〜くたくさんのことを学ぶことができるので、「じゃあ、一体、何を学ぶことができるんですか?」という問いに、「ばしっ」と答えられないことがある。

こちらが答えられないと、「あ〜、演劇ねぇ〜よく分からないから〜、難しそうだし〜、今の子ども達には難しいんじゃありませんか〜?」って言われてしまう。

私は、水戸黄門の印籠が欲しい。
これを見せたら、文科省も文化庁も「はは〜っ」ってひれ伏すほど説得力のある「言葉」や「行為」。

平田オリザさんがやってくださっている活動も、社会に印籠を突きつける行為のように思える(勝手に私が思っているだけですが)。

私はそういう印籠が欲しい。

印籠は無理かもしれないけれど、せめて問いに答えられるいくつかの「言葉」や「行為」が欲しい。

それを今、えんえんと考え続けています。

January 07, 2014

いよいよ本番!「完全即興2」

いよいよ本番です!
小さな劇場ですので、ご予約をおススメいたします!

即興アートの最先端をゆく、日本トップ・パフォーマーたちが
「次なるステージを目指す」ための越境的コラボレーション。

新鋭パフォーマーたちのコラボレーションをどうぞお楽しみ下さい。

出演:今井敦(だんすだんすだんす)
   ドラびでお 一楽儀光
   野島竜太郎(Long Form Project)
   勝部ちこ・鹿島聖子(C.I.co.)
   絹川友梨(インプロ・ワークス)

タイムスケジュール:
   2014年 1月10日(金) 19:30 SHOW1
       11日(土) 14:00 SHOW2
          18:00 SHOW3    ※受付30分前

料金:【前売・当日とも】一般 3500円/学生 3000円(要証明書提示)

チケット取扱い
 オンライン予約 http://ticket.corich.jp/apply/50826/
メール show@impro-works.com


会場:下北沢・小劇場「楽園」
   小田急線/井の頭線「下北沢駅」徒歩2分
   東京都世田谷区北沢2-10-18
   藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F
   TEL 03-3466-0903
   honda-geki.com/rakuen.html

スタッフ
 構成演出:絹川友梨
 証明:田中稔彦
 音響:島村幸宏
 舞台監督:川田崇
 チラシデザイン:nahooo
 制作:薄田菜々子、インプロワークス(株)

お問合せ:
 TEL 080-5437-6807(制作直通)
 http://www.impro-works.info/


皆様のご来場、お待ちしています!


target="_blank">携帯からの予約はこちらをクリック!



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フレンチ カジュアル

January 05, 2014

<全員参加ですよ〜!>いよいよ本番まじか→来週の金曜日&土曜日です!

THEATRE OF IMPRO 2014「完全即興2」

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ある意味、異種格闘技。
「え、この人たちが、一緒にパフォーマンス!?

即興アートの最先端をゆく、日本トップ・パフォーマーたちが
「次なるステージを目指す」ための越境的コラボレーション。

新鋭パフォーマーたちのコラボレーションをどうぞお楽しみ下さい。

出演:今井敦(だんすだんすだんす)
   ドラびでお 一楽儀光
   野島竜太郎(Long Form Project)
   勝部ちこ・鹿島聖子(C,I.co.)
   絹川友梨(インプロ・ワークス)

タイムスケジュール:
   2014年 1月10日(金)19:30 SHOW1
       11日(土)14:00 SHOW2
            18:00 SHOW3 ※受付30分前

料金:【前売・当日とも】一般 3500円/学生 3000円(要証明書提示)

チケット取扱い
 オンライン予約 http://ticket.corich.jp/apply/50826/
メール show@impro-works.com

会場:下北沢・小劇場「楽園」
   小田急線/井の頭線「下北沢駅」徒歩2分
   東京都世田谷区北沢2-10-18
藤和下北沢ハイタウンB棟地下1F
   TEL 03-3466-0903
honda-geki.com/rakuen.html

スタッフ
 構成演出:絹川友梨
 証明:田中稔彦
 音響:島村幸宏
 舞台監督:川田崇
 チラシデザイン:nahooo
 制作:薄田菜々子、インプロワークス(株)

お問合せ:
 TEL 080-5437-6807(制作直通)
 http://www.impro-works.info/

★12日(日)同会場にて
 シアタースポーツTM発表会(クローズド)
 お問合せ:インプロワークス http://www.impro-works.info/

January 04, 2014

【すばらしいインプロバイザーたち】キース・ジャレットのインタビュー。

【すばらしいインプロバイザーたち】
キース・ジャレットのインタビュー。
即興演奏者は譜面があっても、より大胆に演奏することができる。なぜなら、、。
http://youtu.be/DcjDuXEwZas

January 03, 2014

ニセのバス停→認知症の方々にイエスアンドしたい。

【日常にみつけたイエス・アンド】
認知症の患者さんのための「ニセのバス停」。
だって帰りたいんだもん。ニセっていうと悪いイメージがあるかもしれないけれど、「架空の」とすればいいんじゃないかな。むしろもっと広げて、架空のバスとか作ればいい。

キッザニアの認知症版ができるといいのにね〜!!

http://mojix.org/2012/08/26/alzheimer-bus-stop

「即興演劇」における「肯定感」について考えてみました。

自己肯定感について考えてみました。

「台本がある/なし」に関わらず、「見る/見られる」という関係が基盤にある「舞台表現活動」を行う上で、「自己肯定感」は表現者に必須かもしれません。表現するリスクの高い即興演劇の場合は、本当はさらに必要です。ですから「自己肯定感」がない人が行うと、いろいろなジレンマにぶつかってしまいます。ですからそれを培うエクササイズがたくさんあります。「イエスアンド」もある意味「自己肯定感」を育む考え方だともいえますし、キースの仕事なんかは、ほとんどその部分に問題のある人たちを「癒している」ようにも私には思えます。

逆に言うと、そこだけに留まっていると、「即興演劇」が自己啓発の手段としての手法になってしまい、癒しにはなるけれど、芸術として発展していかないなぁ〜とも感じます。むしろ「即興芸術」の場合、他者の存在が大事という意味では「他者肯定」も大事かなと思います。

ちなみに、日本人は諸外国と比べて、極端に「自己肯定感」が低いらしいので、この部分に注目が集まってしまうのは、ある意味、当然なことだとも言えましょう。

January 02, 2014

ゲリー・スコワーツさんが東京でワークショップ。

「インプロの母」と言われている故ヴィオラ・スポーリンのメソッドを継承するゲリー・スコワーツさんが東京でワークショップを行うそうです。2014年3月4日間。(通訳がつくのかどうか、彼に聞いている所です。)少人数制のようなので、興味のある人は早めにどうぞ〜。

https://www.facebook.com/events/1391308647786658/?ref_newsfeed_story_type=regular

「即興演劇」×「ライフスキル」

「ライフスキル」という言葉があります。
これはWHO 世界保健機関が提案したもので「日常生活で起こるさまざまな問題や要求に対して、建設的かつ効果的に対応するために必要な能力」のことです。

「ライフスキル」の構成要素は10つあります。
1) 決断力
2) 問題解決能力
3) 創造的思考
4) 批判的思考
5) 効果的なコミュニケーション
6) 対人関係スキル
7) 自己認識
8) 共感
9) 感情に対応できること
10) ストレスに対応できること

これらのスキルは、もちろん明確な分かれ目があるのではなく、それぞれが影響しあっています。そしてこのような力を獲得することは、人間成長や社会への適応にとても大事だと言われてします。

この「ライフスキル」の研究は、「スポーツを通して、このようなライフスキルを獲得させることができるのではないか」という仮説において、おもに体育やスポーツ心理学などの分野でなされています。

さて、私は「即興演劇」という手法を用いて、人々がより自分らしく生きるための「場」としてのワークショップを数々行っています。その中で、クライアントから求められることは「コミュニケーション能力」や「ストレスのない人間関係を築くにはどうしたらいいか」など、人間同士の関わりの難しさに対応することが多くみうけられます。「リーダーシップ」や「表現力」や「発想力」をテーマとしたワークショップも行いますが、実際に参加者に対面してみると、それらのテーマの学びを起こす為には、まず「安全な場」として「風通しのよい人間関係」が必要になるため、やはり同じように「人間関係」をテーマにしたエクササイズを必ず行うようにします。

このように「ライフスキル」で掲げられている要素は、自覚はありませんでしたが、わたしのワークショップでも考慮に入れているものたちでした。

では、「ライフスキル」の要素と、「即興演劇」のトレーニングはどのように対応できるでしょうか。
ざっくりではありますが、考えてみました。

1)決断力
「即興演劇」を行う上で、「その場で“決める”」ことはとても必要とされています。“迷う”まえに“決める”。そうすれば表現しようとする世界が“抽象”から“具体”へと明確化します。表現することがらをより具体的にすることによって、自分のアイデアを人々と共有することが可能となっていきます。

2)問題解決能力
「即興演劇」の中で作られるストーリーに対して、表現者たちは「解決策」を見いださなくてはなりません。ストーリーとは「架空」であり「日常生活の問題」ではありません。しかし「現実ではないストーリー」を解決することで、問題を疑似体験し、日常への解決の力を養うことができるのではないかと思います。

3)創造的思考
「即興演劇」を行ううえで必須の能力です。この能力を開花させるためには、からだがリラックスしていること、批判される恐怖から解放されていることなどが必要となります。

4)批判的思考
「即興創作」を支えている考え方に「イエスアンド」があります。この「イエスアンド」は一見「何にでもOKを出す」という無批判的な態度のように見えます。しかし、そうではありません。「イエスアンド」をする物事は、創作するための人間関係であり、創作のためのアイデアであり、思考であり、哲学です。そして「自分のほんとうの気持ちに“イエス”する」ことでもあります。逆に、批判的な思考で、社会や日常の問題を問いかけるといった表現も大事なことです。また社会を批判的にアイロニーを込めて表現することもあっていいと思います。そういう意味で、表現として、創作として、批判的思考も即興演劇では必要だと思われます。

5)効果的なコミュニケーション
ここでのコミュニケーションは「表現力」のことを言っているようです。だとしたら、「即興演劇」はまさしくそれをトレーニングすることのできる場だといえます。日常で表現の練習をすることはなかなかできません。「いつもの自分」のジェスチャーを少し大きくしてみることぐらいでしょうか。本来「多面体」である自分、いろいろな表現の可能性を秘めている自分の表現力を高めるためには、「その為の場所と時間」が必要なのではと思います。(特に日本では)


6)対人関係スキル
ここでの対人関係スキルとは、ポジティブな人間関係を築くことのようです。これは「即興でなにかを創作する」作業において、非常に大事なことです。それを揺るがさないために「イエスアンド」や「相手を輝かせる」など、お決まりの「インプロルール」がたくさんありますね〜。

7)自己認識
自己を理解することです。「即興演劇」の文脈でいいますと、「インプロのエクササイズ」を行う過程で、いつもの自分の「くせ」に気がつくことが多いと参加する人たちはおっしゃいます。それは「即興でおこなう」ことによって、自分の「普段」が、「エクササイズ」という非日常の枠組みの中で見えてくるからではないでしょうか。日常のくせは、なかなか日常で気がつくことはできません。また「普段は出さない自分」を現してみることで、「自分にはこういう面があった」という発見をすることができます。もちろんこれは「即興演劇」だけではなく「演劇」がもつ力でもあります。

8)共感
「即興での集団創作」には「共感性」が必須となります。これがないと、相談しないで、その場で同意したイメージを作ることができないからです。「即興演劇」のエクササイズの中には、共感を学ぶことができるものがたくさんあります。

9)感情に対応できること
人間はさまざまな感情を持っているにも関わらず、そのほんの一部しか、日常生活では出すことができません。しかも、たとえば日本では「会社で笑ってはいけない」とか「電車の中で大声で笑ってはいけない」とか「人前で怒ってはいけない」とか「男の子なんだから、泣いてはいけない」とか「女の子なんだから、笑顔でいなくてはならない」などと、日常での「感情の制限」がものすごくあります。それ以外の感情を出すことは禁じられており、つねにいびつな感情表現を行うことを強要されている面があります。また最近では、「表情のない若者が増えてきた」と言われています。たしかし「能面」のように、顔を見てもどんな感情なのかわが分からない人間が増えているように思えます。(わたしは、日本では、中年や高齢者にも多いように感じます。)

さきほども「日常で表現の練習をする場はほとんどない」と書きましたが、感情についても同じことです。さまざまな感情があるにも関わらず、それを発散することができない社会状況となっています。

ここで「演劇」や「即興演劇」の良さが、もっと注目されてもいいのではと感じます。この世界では、さまざまな感情表現を体験することができますし、それは架空の世界でありますので、自分の日常で、たとえば「人間関係のトラブルになる」などの悪影響はありません。

10)ストレスに対応できること
人間はある程度、ストレスを抱えていたほうがいいのだという節もあるように、かならずしも「ストレス=悪いこと」ではありません。ただ、ストレスに振り回わされてしまうのではなく、ストレスをコントロールし、仲良くつき合う「理性」が必要だと思われます。このように一見悪い事のように見える物事を、コントロールする力は「理性」なのではないでしょうか。そして「理性」を育むには、「現実をそのまま受け入れ、理解する」力が必要であり、そういう意味で、「今おこっていることを、丸ごと受け止める」という「即興演劇」の理性的なあり方は、この力の獲得にも役に立つと考えられます。

このように、ライフスキルの10のスキルを獲得するために「即興演劇」はずいぶんと役に立つのではないかと予想されます。これは実際にワークショップをやり、自分もパフォーマーとして長年「即興演劇」にたずさわってきて実感していることでもあります。

今後は、もっと具体的にもっと深く、考えていきたいと思っています。

絹川友梨

参考資料
Programme on mental health workld health organization Geneva, Life skills education for children and adorescents in schools,
1997

後記:あとで自分の文章を読み返して、、。

この文章は「いかに即興演劇のトレーニングが日常生活に役立つか」という、言わば即興演劇の「応用的」ポイントを綴っているだけで、なんか今よむと、「即興演劇はいいよ〜!」と「押し付けがましく言っている」だけのようにも感じます(苦笑)。これはわたしの未熟なところですが、ここで書いていることは「コンテンツ」であり、what について。本当は「どのように指導するか。どのように学ぶか」というhowの部分がと〜っても大事で、そこについて、またまた書ききれていない自分を感じています。つまりどんなに「即興演劇の応用」に「学びの要素」があったとしても、それを「どうHOW」使うかによって、まったく違ったものになってしまうことは明白なのです。そして現実的にそういう問題が生じていることを、さまざまな「即興演劇」外部の方々からのご指摘によって感じています。そこを書いていかなくては、、。いずれにしても「即興演劇」を応用したトレーニングによって、日常生活を豊かにするためのヒントを学ぶことができる可能性はあると思います。

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